夏と先生と初恋。

楽器の技術だって申し分ない。


口はちょっと悪いけど、性格が悪いわけじゃない。


みんなの気持ちを前向きにできる明るさも持ってる。


考えれば考えるほど、


涼は幹部になってもおかしくない人な気がしてくる。



「先輩たちから見た俺は幹部に向いてなかった、


それだけだろ」



「え?」



涼のことだから、だろー?とか言って


すぐに調子に乗ると思ったのに。



「それに、幹部向いてそうなのに


幹部じゃないのは俺だけじゃないだろ。


逆に、部員をまとめるっていう意味じゃ、


ひまりは全然向いてねーし」



酷くない?とも思うけど、


納得してしまう自分もいる。


わたしが誰かに指示を出したり、


まとめたりするのが苦手な自覚はある。



「でも、選ばれたのはひまりで、


選ばれなかったのは俺。


堂々としてりゃいーだろ。


きっと選ばれたなりの理由があんだよ」



涼の言葉は乱暴なのに、


ストンと心に落ちた気がした。