夏と先生と初恋。

藤木先生がどんな判断をするのかはわからない。


だけどわたしはこの曲に、


わたしたちの青春(コンクール)を託したいと思った。




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新入生歓迎会コンサートの片付けまで


終わったのは、だいぶ遅い時間になっていた。


今日は練習なしでそのまま解散ということになって、


わたしは教室に置いてきてしまっていた


テキストを取りに行っている所だった。


ちょうど3年生の教室の前を通った。


…希空先輩、だ。


誰もいない教室で黙々と勉強している。



「希空先輩、」



邪魔しちゃいけないとわかっていたけど、


つい声をかけてしまった。



「…ひまりちゃん?」



顔を上げた希空先輩がこちらを向く。



「勉強、ですか?」



先輩の机に広がる数学の参考書を見れば


勉強をしているのはわかるのに。


なんで聞いたんだろう。



「これでも、受験生だからね」