夏と先生と初恋。

藤木先生が顧問になってからまだ約1週間。


50人近くいる部員全員を覚えられるはずがない。



「あの、えっと、——」



藤木先生の顔が順にわたしたち3人を見比べる。


そして、わたしに目が止まった瞬間、



「…竹中、だったっけ?名前、あってる?」



「あっ、あってます!」



わたしの名前を覚えてくれていたみたいだ。


…なんでだろう。



「残りのふたりは…」



「浅野です!」



「秋田です」



沙耶と涼が順番に名前を名乗った。



「飯岡と秋田…フルートとトランペット、かな?」



「そうです!」



沙耶が嬉しそうに返事をした。


藤木先生は記憶力がいいのかもしれない。



「3人も見にきていたんだね。


…ふふ、陽光高校に圧倒されました、って顔してるね」



藤木先生の言う通り。


わたしたちは陽光高校に圧倒された。



「みんななら、大丈夫。


まだ時間はたくさんある。


みんなは、ちゃんと変われるよ」