「涼!」
すぐに振り向いた涼はこちらを見て笑顔を浮かべた。
「ひまり、と…名前、確か…沙耶であってる?」
「う、うん!沙耶です!」
沙耶と繋いだ手から、沙耶の緊張が伝わってくる。
「あの、えっと、
…もし、涼くんが暇だったら、
今度の水曜日、陽光高校の定期演奏会、
一緒に行かない…?」
予定を思い出そうとするように一瞬考えた涼は、
すぐに「いいよ、」と笑った。
「ちなみにひまりは行くの?」
「あ、うん。わたしも行くよ」
涼は自分で聞いてきたくせに、
ふーん、と興味なさげな返事をした。
「…じ、じゃあ、水曜日の放課後、
わたしがひまりと涼くんの教室に行くね、」
「りょーかい、んじゃ、俺こっちだから」
え、どこいくの。
涼の帰り道はわたしとほぼ同じなはずなんだけど。
「今日、ダチと映画見に行く約束してんの」
