夏と先生と初恋。

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「2番線に電車が参ります。


黄色い線の内側でお待ちください」



ただいま朝の6時45分。


サラリーマンも学生も、


かなり少ない朝の時間の駅。


わたしは、学校から電車で30分程のところに住んでいる。


特別遠いわけではないし、


他の吹奏楽部の部員をみてみると、


これより遥かに長い距離をかけて


通学している人も沢山いる。


シュー、と静かな音を立てて止まった電車に乗り込み、


端の席に座る。



「ドアが閉まります。


ご注意ください」



3号車の一番端の席。


ここがわたしの定位置だ。


窓の外から見える空は、


まだ明るくなりきらない、


どこか夜の雰囲気を残した色をしている。


それは今のわたしたちを表しているようで。


そんな不思議な色をした空に、


どこか自分たちを重ねてしまった。



「次は、楓ヶ崎(かえでがさき)


お出口は左側です」



気がつけば、


高校の最寄駅である楓ヶ崎駅に着いていた。


駅から高校までは歩いて5分。


曲を一曲聴きながら歩けば、もう学校だ。



「よ、ひまり」



後ろから、


少し急いだような足音が聞こえたかと思えば、


軽く肩を叩かれた。



(りょう)、おはよ」