死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

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 ドキドキが止まらない。

(あんなに軽々と私を持ち上げるんだもの)

 馬車は座面も背中もふかふかで座り心地はいいけど、窓から見える外しか眺められないのが残念だった。

 とはいえそれを口にはしていないのに、レオが馬に乗ってみるか?と聞いてくれた。

 馬上ならば視界が開ける。馬に乗れないリーナを先に馬に乗せ、彼は彼女を横抱きにした。

『なにも心配ないから体を預けて』と言われ、レオの懐に包み込まれるようにして風を浴びながら進む。

 なんとも言えない安心感と胸のときめきが交互に押し寄せて、落ち着かない。

「見えてきたな。あの山が西山だ」

「あの林の先に尖って見える山ですか?」

「そうだ。北西に連なる山脈が高いせいで小さく見えるな」

 山脈は雪を被っている。奥深くは魔獣が棲むと言われている神秘の山脈だ。それと比べると西山は小さい。