死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

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「殿下、どうぞゆっくりしてきてください」

 口ではそう言いながら不安を隠しきれていないオスカーにレオは苦笑して肩を叩いた。

「じゃあ、よろしく頼む」

 空は快晴で旅日和だ。考えてみれば落ち着いて旅をしたことはなかった。

 八年前にミスティアに滞在したことを思い出す。

 逃げ込んだだけで旅とは言えなかったが、虹色に輝く霧に包まれる朝の光景は、まるで夢の中に入り込んだような不思議な感覚だった。

「リーナ、ミスティアの霧にはなにか特別な力があるのか?」

 ハッとしたように彼女は振り向く。

「なぜそう思うのですか?」

 聞いたのはこっちなのに、目を輝かせるリーナに苦笑した。

「ミスティアの朝霧を見た後も、俺は随分あちこちの朝霧を見た。だけどあんなふうに虹色に光る霧は見たことがない」

「レオはミスティアに来たことがあるんですね?」