死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~


 まだ冬が始まったばかりだったのに、十一月の地下牢はすでに凍傷になるほど寒かった。斬首されなければ凍死したに違いないと思うほどに……。

 辛い記憶に飲み込まれそうになり、慌てて気を取り直す。

(過去は過去だわ。前を向かなきゃ)

 気合いを入れたリーナは目的の本を開く。

 確かこのあたりに書いてあったはずと指でなぞる。

【黒き不思議なる石、西山の麓、古竜の滝に眠る】

「ここです」

 開いた本を差し出すと、レオは考え込んだ。

「古竜の滝……」

 古竜の滝がどの滝を意味するのかはまだわからないが、間違いない。前世、地下牢で看守たちが『まさか採掘場所が滝に隠れたとはな。侯爵は知ってたんじゃないのか』と話していた。

「今掘っているの採掘場所は滝とは無縁の場所だ。なるほど」

「古竜の滝についてはもう少し探してみます」