まだ冬が始まったばかりだったのに、十一月の地下牢はすでに凍傷になるほど寒かった。斬首されなければ凍死したに違いないと思うほどに……。
辛い記憶に飲み込まれそうになり、慌てて気を取り直す。
(過去は過去だわ。前を向かなきゃ)
気合いを入れたリーナは目的の本を開く。
確かこのあたりに書いてあったはずと指でなぞる。
【黒き不思議なる石、西山の麓、古竜の滝に眠る】
「ここです」
開いた本を差し出すと、レオは考え込んだ。
「古竜の滝……」
古竜の滝がどの滝を意味するのかはまだわからないが、間違いない。前世、地下牢で看守たちが『まさか採掘場所が滝に隠れたとはな。侯爵は知ってたんじゃないのか』と話していた。
「今掘っているの採掘場所は滝とは無縁の場所だ。なるほど」
「古竜の滝についてはもう少し探してみます」



