「魔石の採掘場所が書いてあったと?」
「はい」
西の鉱山に行きたい理由を見てもらうため、レオと一緒に特別図書室に来た。
西山は鉱山を含めて皇室が所有している。
黒の魔石を期待して鉱山を掘り進めていたが、出てくるのは使い物にならない屑石ばかり。現在は無用の長物と言われている。
前世では隣接する領地を持つ侯爵に欲しいと言われ、ほぼ無償で採掘権を下賜してしまうのだが、その後、上質な黒の魔石が発掘された。
黒の魔石は石炭のように暖を取れるだけでなく、大事に使えば半永久的に暖房として使えるという貴重品だ。
その年の冬は類を見ないほどの寒波に襲われ、強欲な侯爵は黒の魔石を高額で売りさばき大儲けをした。
皇室の物であれば小さく砕き、貧しい民衆の手に渡るよう手を尽くせたはずが、結局人々の手には渡らず、寒さに震えた弱き者は命を落とすだろうと言われていた。



