死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 リーナは努めて明るく微笑みを返し、ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着けた。

 香油でマッサージをされながら、瞼を閉じて記憶を整理する――。



 ここヴァイス帝国は、この大陸で最も広大な領地と力を持つ強国だ。

 対してリーナの祖国ミスティア王国はとても小さい。

 ミスティアはヴァイスの北方の外れに位置し、山の中にあり霧に包まれている。要塞のような岩山に囲まれていて、他国に狙われるほどの資源もないため侵略を免れているだけの弱い国だ。

 普通に考えればヴァイス強国の皇太子との縁談など舞い込むはずがない。

 しかしミスティアの王族は魔力など不思議な力を持って生まれるという特性があり、リーナもまた治癒力があった。ヴァイスの皇太子レオナルトとの結婚は、リーナが持つ治癒力をかわれてのことだった。