死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 言われてみれば手がカサカサする。

「本を触っていたからかしら」

 ミスティアでは雑用もしていたくらいだから、紙を触るくらいで手が荒れたりはしなかったのに。

「ミスティアよりも空気が乾燥しているからですね。私も気をつけないとすぐ肌がカサカサになってしまうんですよ」

 そういえば、と気づく。

 ミスティアは朝晩霧が立ちこめたが、ここには霧がない。もしかしたら治癒力と霧が関係しているのか。

「霧……。ここは霧がないのよね」と呟いた。

 夕方、サラが嬉々としてあるものを持ってきた。

「妃殿下、これで少しは良くなるかもしれませんよ。加湿する魔道具だそうです」

 サラがチェストの上にそれを置くと吹き出し口から霧のようなミストが出てきた。

「凄いわ!」

「風邪を引いたときなどに利用されるそうですよ」

 早速近づいてミストを浴びると、心が洗われるように気持ちがいい。