死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~


 

 転生なんて物語だけの話だ。

 最初は長い夢でも見ていたのかと思ったけれど、頬をつねってみたりしてどうやら現実世界だとわかってきた。

 そして湯浴みをしながらふと気づいた。湯船に浮かぶ花には見覚えがある。白薔薇やチューベローズといった純白に統一された花弁は、結婚式を迎える花嫁のために用意されるものだ。

 湯浴みが終わって部屋に戻ると、繊細なレースのウエディングドレスがトルソーに飾られていた。レースにはダイヤモンドが縫い込まれており、黄金のティアラも、慌ただしく動き回る侍女たちの様子も記憶の中の結婚式とまったく同じ。

 となればもう疑いようがない。

(私、一年前に転生したんだわ……)

「姫様? 具合はいかがですか?」

 祖国ミスティアから一緒に来た侍女のサラは、鏡の中のリーナを心配そうに覗き込んだ。

「もう大丈夫よ」