死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

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――遡ること三カ月前。

 ヴァイス帝国の宮殿で、皇帝は頭を抱えた。

 人払いはしてあるので部屋にいるのは皇帝のほか、皇后と皇太子の三人だ。人目を気にせず大きなため息を吐く。

(よりによって、この姫だと?)

 瞼を上げて、目の前にいる彼の自慢の息子、皇太子レオナルトを見つめた。

 人々はレオナルトを、神に愛された皇太子と呼ぶ。

 十歳にしてすでに剣士としての才覚を現し、十五歳でソードマスターとなった。剣だけでなく、知性・行動力・判断力等のすべてを兼ね備えた唯一無二の存在である。

 しかし、彼にはたったひとつ欠点があった。二十三歳になるというのに妃がいない。

 皇太子ともなれば通常幼き頃より許嫁がいる。当然彼にもいたが、その姫とは一度も会うことなく流行病で夭折してしまった。