死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 地下牢に閉じ込められたとき、監視の兵士たちが話していたのを聞いた。

 レオナルトの体に残る禍々しい傷痕は、魔獣と戦ったときのものであり、『殿下は俺たちを助けようとして、あんな傷を』と泣いていた兵士もいた。

 傷は寒い冬や雨の日になると痛むと知ったのも、そのときだ。

 彼は士気を鼓舞するために、常に先頭に立って戦うという。勇猛果敢な彼の姿を知る兵士たちは、傷は勝利の勲章だと話していた。

『女たちがあの傷に怯えるのは仕方がないし、殿下は笑うだけで気にされていないが、俺はそれが悔しい』

 リーナも『お前もそうなんだろう。無能のくせに、身の程を知らずが』と罵られ唾を吐かれた。

 少なくとも、彼の妃《きさき》である自分は怯えてはいけなかった。

 国や民のために戦ってきた彼を心から尊敬する気持ちに嘘はなかったのに、行動が伴っていなければ伝わらない。