死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 初夜でレオの傷口を見て震えた彼女に、どう接していいかわからずにいた。自分でさえゾッとする傷だ。うら若き女性が怯えるのも当然で、彼女を責める気持ちは毛頭なかった。

 八年前、ミスティアで彼女と出会い、彼女の明るさに救われた。それなのに、妃にと指名したばっかりに不幸に陥れてしまった。

「エヴァンテリーナ……すまない」

 ただ明るく笑って過ごしてくれるだけでよかった。

 この戦いから戻ったら、一度ゆっくり話をしてみようと思ったいたのにまさかこんなことに――。



「どんな願いもか?」

 図書室の司書は苦笑した。

「そう記してあります。ですが、命と引き換えにとありますので試した方はいらっしゃらないかと」

 宮廷の庭園にはたくさんの遺跡がある。

 そのうちのひとつ“奇跡”と呼ばれる遺跡は、たったひとつどんな願いでも聞いてくれるという。

 ヴィクトリアとの結婚式を控えた前日、レオは遺跡を訪れた。

 そして祈った。


 神よ。願いを聞いてくれるなら喜んで命を差し出そう。

 どうかエヴァンテリーナの幸せを取り戻してくれないか――。




fin~*.