「治癒力を見込まれて来たというのに、妃殿下には軽い傷を治す程度の力しかありませんでした。陛下の怒りはすさまじくつい先日帝国軍がミスティアを制圧したところです」
エヴァンテリーナが使っていた部屋は皇帝の命によりすっかり片付けられていて、ベッドも机もすべて新しいものになっていた。
「ひとつだけ隠しておきました」
オスカーが差し出した箱には霧伯織の糸でできた紐があり、手紙が添えられていた。
「これは?」
「侍女長が見つけ、このまま処分するには忍びないと」
畳んである手紙を開き、レオは唇を噛んだ。
【どうかご無事でお帰りになりますように】
「殿下にお渡しするおつもりだったのかもしれません」
彼女はこんな字を書くのか……。
「ひとりにしてくれ」
かつてエヴァンテリーナがいた部屋の窓辺にレオは立った。
彼女のために選んだここからは美しい庭園が見渡せる。
エヴァンテリーナが使っていた部屋は皇帝の命によりすっかり片付けられていて、ベッドも机もすべて新しいものになっていた。
「ひとつだけ隠しておきました」
オスカーが差し出した箱には霧伯織の糸でできた紐があり、手紙が添えられていた。
「これは?」
「侍女長が見つけ、このまま処分するには忍びないと」
畳んである手紙を開き、レオは唇を噛んだ。
【どうかご無事でお帰りになりますように】
「殿下にお渡しするおつもりだったのかもしれません」
彼女はこんな字を書くのか……。
「ひとりにしてくれ」
かつてエヴァンテリーナがいた部屋の窓辺にレオは立った。
彼女のために選んだここからは美しい庭園が見渡せる。



