死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 サラはリーナの髪を整えながら、うーんと考える。

「やはり、お世継ぎを授かることでしょうか」

 ハッとして顔を赤くすると同時に、リーナはうつむいた。

「でも、私はどうしたらいいかわからないわ……」

 初夜でどんなことをするのかくらいはわかっているが、なにしろ前世では失敗している。

「大丈夫ですよ。殿下にお任せしましょう」

 こくりと頷いたリーナの胸には、羞恥心に代わって悲しみが広がってくる。

 前世の初夜では、取り返しのつかない大きな失態を犯してしまった。

 彼の体に残る大きな傷痕に驚いて、こともあろうに震えながら泣き出したのだ。

 背中を向けて寝室を出て行く彼に、慌てて『申し訳ありません』と謝ったけれど、悪気があるとかないとかでは済ませられない。

 その日以来、戦争が始まるまでの五カ月間、彼は一度も寝室には来なかった。

(本当に、失礼なことをしてしまったわ……)