「万歳!」
人々の熱狂の渦の中で、新年を祝うと同時に凱旋パレードが開催された。
先頭には持ち帰ってきた魔獸の亡骸で、血肉はすべて加工されて貴重な原料となる。
続くは戦地に赴いた傭兵や戦士。歩兵から騎馬隊と連なり、人々は興奮の渦に包まれた。
最後を飾るのは屋根のない馬車で、レオとリーナが乗り、前後を帝国が誇る最強騎士団が囲む。
冬真っ盛りだというのに、沿道は奧が見えないほどの人だかりで圧倒されたリーナはふと不安になる。
「レオ。私まで参加してもいいのでしょうか?」
パレードは戦かってきた人々のものだ。リーナだけは戦争に参加していない。
「魔獸に付けられた恐ろしい傷を君に治してもらった彼らのたっての願いだ。胸を張って笑顔を振りまけばいい」



