死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 リーナは訓練を重ねた通り感覚を研ぎ澄ませる。

しばし呼吸を止めた後、息を吐きながら両手のひらをレオに向けてありったけの治癒力を注いだ。

(レオ、がんばって! レオ!)

 必死に祈るうち、眩しい光に包まれ沸き起こる「おお!」というどよめきを耳にしたのを最後にリーナは気を失った。



 夢を見た――。

『かわいいリーナ、あなたは幸せになるために生まれてきたのよ』

『おかあさま』

 母は明るく笑ってリーナの手を引く。

 これは夢だとわかっている。リーナを生んですぐ亡くなった母の記憶はない。それでもこんなに幸せな夢ならばずっと夢の中にいたいと思った。

 目が覚めてもいいことなんてないから……。

 すこしの寂しさを胸の中に抱えながら、笑って母の腕に飛び込むと、ふとどこからか声が聞こえてくる。

「頼む、リーナ」

 覚えがある声だ。