死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 大神官からも『もう教えることはありません。これからはご自身で鍛練を積んでください』と言われた。

 大丈夫。今朝も遺跡のミストをたっぷり浴びている。

(レオを助けるわ)

 リーナは大きく息を吸い、促されるまま中に入った。

 室内にはなんとも言えない臭気が立ちこめている。血と、薬草と、そして魔獸に襲われた傷から出る独特の臭い。

 レオは苦悶の表情を浮かべたまま気を失っている。

 しかもその顔には大きな裂傷があり、ぱっくりと開いた傷口から黒い液のようななにかが垂れていた。

「エヴァンテリーナ、早くレオを助けるんだ」

「リーナ、お願いよレオを助けて」

 皇帝が厳しい顔で厳命し、皇后が涙ながらに訴える。

「はい」

 神官たちが横たわるレオを取り囲み神聖力を注いでいるが、見た目にもあまり効果はないように見える。彼らはリーナに譲るようにその場所から離れた。