死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

「どうなさいました? 侍女にお礼なんて必要ないですよ? 私は姫様にお仕えするのが仕事ですから」

「でも、サラ。私について来るのは不安じゃなかったの?」

 まったく知らない土地に来るのは勇気がいったはずだ。

「いえいえ、実は私の母や妹たちも帝国に来たがっていたんです。母方の伯母が首都にいるので手配してくれて、今回引っ越すことが決まったんですよ」

「そうなのね」

 サラの祖父母は貴族だが彼女は平民だ。

 ミスティアの貴族はごく一部を除きあまり裕福とは言えない。自ら望んで平民になる娘は少なくなかった。彼女の母親や伯母も貴族の称号を捨て資産家の商人の家に嫁いだ。昨年商人だった彼女の父親が亡くなり身軽になったゆえ、ミスティアを離れると決めたらしい。

「帝都も宮殿も想像以上に素晴らしいです。母たちも今頃喜んでいるでしょう」

「そうね。なにを見ても感動するばかりだわ」