「お疲れ様でした、姫様。素敵なドレスを脱いでしまうのは残念ですが、楽なドレスにお着替えしましょうか」
にっこりと微笑むサラは、赤味の強い茶色の髪を肩ですっきりと切り揃えている。
リーナの五歳年上で明るさと優しさが表情にでている彼女は、ミスティアにいた頃からリーナに優しかった。
食事を出し忘れるような侍女もいた中で、サラが当番のときだけはいっぱしのお姫様のように扱ってもらえたし、今回の嫁入りにも同行に手を上げたのは彼女だけだ。ほかの侍女たちは、リーナが早々に見限られ道連れに処罰されると恐れて来るのを嫌がった。
ある意味それは正解で、前世でサラは連行されるリーナに泣きながら追いすがり、近衛兵に邪魔だと斬られてしまっている。
悲惨だった彼女の最期を思い起こし、申し訳なさのあまり泣きそうになった。
「サラ、ありがとう」



