死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

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「月がでた頃に見に来てみよう」

「はい」

 涙は落ち着きリーナに笑顔が戻った。

(よかった)

 眩しいほどの笑顔にホッと胸を撫で下ろす。

 かわいそうに、泣いてしまうほど気がかりだったのだろう。

 とにかくリーナがずっと心配していた治癒力の問題に突破口が見えた。遺跡の近くでないと力が発揮できないか等、まだまだ検証の余地はあるとはいえ、これで安心できたはず。

「お客さまは無事に宮殿を出られたのですね」

「ああ。今頃はアイゼンベルク公爵の領地に入っただろう」

 一瞬だが、リーナの表情が歪んだ気がした。ついさっきもだ。公爵令嬢と言った瞬間繋いでいたリーナの手が離れそうになった。

 お茶会でヴィクトリアに嫌な思いでもさせられたのか。リーナの歌は絶賛されていたようだったのに。

「リーナ、アイゼンベルク公爵令嬢と何かあったのか?」