死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 すると、まるで体の中心に明るい光でも灯ったような不思議な感覚になり、リーナの髪の先がキラキラと輝く。考えずともわかる。これは治癒力だ。体に治癒力が漲っている。

 かつて経験した覚えのないほどの強い力に、リーナは思わず自分の両手の手のひらを見つめた。

「リーナ、試してみよう」

 レオは腰に差した剣を鞘から僅かに引き出し、指先を切った。

 アッと声を上げる暇もない。ポタポタと垂れる血と躊躇なく切る仕草に驚きつつ、リーナは考える間もなく慌てて手を翳した。

 リーナの手のひらが青白く輝き、レオの指先から血が止まる。

 使った気がしないほど軽い力だ。リスの足を治したときは全力を使い果たしたほど疲れたのに。

 レオが遺跡から流れる水で指先の血を洗うと、傷は完全に消えていた。

「ちなみにこの水だけでは治らない。実験済みだ」

 そう言った彼はさっき切ったほうではない手の指先を見せた。ここを見つけたときにさっきのように切って水につけてみたり、石に触れてみたりしたらしい。

「結局治らなかったが、今リーナの力を感じたときに、こっちの傷まで治ったよ。リーナ、よかったな。君の力は本物だ」

 凄いなと明るく笑うレオにつられてリーナも笑顔になる。

 笑顔は崩れて涙が溢れ、レオの胸の中で泣いた。