レオの結婚で縁談はあきらめたと思いきや、ヴィクトリアは側室の座を狙っているという噂を耳にした。高貴な令嬢が側室の座に甘んじるはずもなく、いずれは自身が皇后の座にと狙っているのかもしれない。少なくともそれだけリーナを軽くみているのだろう。
理由はどうあれ、庭園の散歩ならばヴィクトリアに治癒力を使わせるいい口実ができる。レオは薔薇に手を伸ばし、わざと指に怪我をした。
『まあ大変』
『令嬢の髪につけたら似合うと思ったんだが、慣れないことはするものではないな』
我ながら呆れるほどすらすらと調子のいい言葉が口をついて出た。
治療しましょうと言い出したのは彼女の方だった。
ヴィクトリアの様子を窺うと彼女は焦ったように『ではお邸で』とレオを急かし、客間に通されて待つように言われた。ほどなくして戻ってきた彼女は自ら消毒液でレオの指についた血を洗い、手をかざすようにして傷を治した。
理由はどうあれ、庭園の散歩ならばヴィクトリアに治癒力を使わせるいい口実ができる。レオは薔薇に手を伸ばし、わざと指に怪我をした。
『まあ大変』
『令嬢の髪につけたら似合うと思ったんだが、慣れないことはするものではないな』
我ながら呆れるほどすらすらと調子のいい言葉が口をついて出た。
治療しましょうと言い出したのは彼女の方だった。
ヴィクトリアの様子を窺うと彼女は焦ったように『ではお邸で』とレオを急かし、客間に通されて待つように言われた。ほどなくして戻ってきた彼女は自ら消毒液でレオの指についた血を洗い、手をかざすようにして傷を治した。



