死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 ひとりの令嬢の声に振り向くと、庭園の奥の方からヴィクトリアが歩いてくるのが見えた。しかも――。

(レオ?)

 パラソルをさすヴィクトリアと一緒に並んで歩いているのはレオだった。

 令嬢たちが色めき立つ。

「皇太子殿下がいらっしゃったんですね」

「妃殿下は皇太子殿下とご一緒ではなかったんですか?」

 リーナは「ええ……」と短く答えた。聞いていないし、レオは三日ほど皇太子宮に帰っていないので聞きようもない。

 ある令嬢が「一幅の絵のようですわ」とため息をつく。

 その通りだとリーナも心で頷いた。

 ヴィクトリアは帝国で最も美しいと崇められるほどの美貌であるし、レオは言わずもがな。レオの髪のように美しいヴィクトリアの金色の髪が風に靡き、ふたりは楽しそうだ。

(あんなふうにレオも笑うのね)

 彼が笑うのはどうして自分と一緒のときだけだと思ったのか。沈む気持ちに苦笑した。