死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 リーナは彼のような武人を知らない。ミスティアは小さいながらに平和な国なので、戦争にも巻き込まれず騎士はいても実戦経験はないに等しく、ヴァイスの戦士たちのように見るからに雄々しく猛々しい者はいなかった。

 なので初めて彼を見たとき、すべてを見透かされるような鋭い目と大きな体に怖気づいてしまった。彼の体に残る傷痕にも……。

 結局処刑される日まで会話らしい会話もなく、妃として彼の隣に座る以外なにもできなかった。

 戦争に向かう彼の無事を願い、御守りを用意したのに渡す勇気もなく、部屋の窓からそっと見送っただけ。

 皇帝に役立たずと罵られたのも当然で、返す言葉もないまま空しく死を迎えた。