死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

「気になさらないでください。おかげで図書室に通えて西山にも行けましたから」

 にこにこと邪気のない笑顔を向けるものだから、つい納得してしまいそうになる。だが、それではだめだ。

 リーナの純粋さが要らぬ教育のせいで消えてしまったらどうしようと、自分勝手な思いを押しつけていた。彼女がここで地位を確立し生きていくためには、たとえ堅苦しくても皇族の一員としてあるべき姿を覚えなければいけないのに。

 ふいにリーナが「キキ」と腰を屈めた。

 茂みからちょろちょろとリスが出てきて、リーナが手を出すと、リスはリーナの腕を駆け上り肩にちょこんと落ち着く。

「ミストを浴びるとリスの怪我くらいなら治せるみたいで。怪我をしていたこの子を助けてからすっかり懐いて。散歩に出ると必ずついてくるんです」

「すごいじゃないか。たとえリスでも怪我を治癒力で治せる者はこの帝国でさえいないに等しいぞ」