死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

『あ、ええ。必死でございましたので』

『そなたの手は大事ないか?』

 毒に直接触れた者はみな手がただれ、今なお塗り薬と聖水を欠かせない。レオを宮殿に運んだ騎士も医師も全員がだ。

 だが、ヴィクトリアだけはどこにもそんな様子は見えなかった。

『ええ、おかげさまで……。殿下、それでは今日も治癒力を注がせていただきますね』

『ああ頼む』

 ヴィクトリアは傷口から目を反らし、両手をレオの傷の方に向けて念じ始めた。

 確かにいくらか痛みは和らいだ。

だが、その力は大神官の神聖力には遠く及ばなかった。本人はそう思っていないようだが。

 医師を問い詰めて事情を聞いたところによれば、公爵家が動いたのだそうだ。口を閉ざすよう医師や大神官を権力で脅してきたという。