死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 五年前。魔獣との闘いで重傷を負ったレオは意識が混濁した状態で宮殿に戻った。

 いまだにレオの体に残っている深い傷痕はそのときのもので、医師や大神官のほか、当時から聖女と崇められていたヴィクトリアも呼ばれた。

 ベッドに担ぎ込まれたレオは返事もままならない状態なのに不思議なほど皆の声がよく聞こえた。

号泣してすがりつく母皇后と励ましの声をかける父皇帝。しかし万がいち傷口から溢れ出る魔獣の毒が皇帝皇后にかかってはいけないと医師の指示によりふたりが部屋を出て行った。

 残ったのは医師と大神官とヴィクトリア。

 必死に処置を続ける医師と神聖力をレオの体に注ぎ込む大神官。ヴィクトリアだけは違った。

『なんておぞましい。私には無理よ』

 声は聞こえても姿は見えなかったが彼女は部屋の隅でただ震えていたらしい。医師が『なにしに来たんだか』と呆れていた。