死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 宮殿には各貴族の息のかかった侍女や侍従がそこかしこにおり、リーナが期待されたような治癒力を使う様子がないことや、持参金は布と石しかなったと皆知っていたのだ。

 ひと口に布と言っても、霧の中で育つ植物から作る霧伯織は虹色に輝く美しい布だし、煙水晶は水晶の中に霧が立ち込めたような美しい石だ。どちらも希少性の高い素晴らしいものだが、帝国の貴族の多くは黄金がすべてだと思っている。

 価値観の違いはどうしようもないし、ミスティアの王はそれを知った上で持参金を出し渋った。お荷物姫に持たせる宝は布と石で十分だったのだろう。

 前世で嫌な思いをしたお茶会に抵抗があり、今世ではまだどこにも参加していなかった。公爵家のお茶会には前世でも参加していないし、行っても嫌な思いをするだけかもしれない。

 けれども、自分が変わらなきゃいけないと決意した。一歩を踏み出さなければ新しい道は開けないのだから。