死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

 西の神殿であの記述を発見したときはうれしかったけれど、見つからなければどうにもならない。やはりダメなのかというあきらめと不安。それでも二度と殺されたくないという空しい思いが言葉になって口を突いて出た。

 だからといって生き抜くなどと大げさ物言いはすべきじゃなかった。

(私のせいで辛い経験を思い出させてしまったんだわ)

 申し訳なさからシュンとうつむき、湯船に浮かぶバラを見つめる。

 バラの花びらとレオの落ち着いた笑みが重なった。

『俺というよりは、帝国の皇太子が簡単死ぬわけにはいかない』

 彼が歩んできた道はリーナには想像できないほど重く険しい。

 体に残る大きな傷だけでも過酷さに驚かされたのに、幼少の頃から命の危機に晒されていたなんて想像もできなかった。リーナ自身は幼い頃は幸せだった想い出しかなく、てっきり彼も皇太子として安全に守られていると思っていた。