死に戻ったお荷物姫は半年後の処刑を回避したい~でも、冷徹皇太子からの溺愛は想定外です!~

「シルクのように美しいピンク色の髪。綿菓子のような笑顔も、声も。あの短い出会いの中でしっかりと心に刻まれた」

 ジッとリーナを見つめる彼の瞳に陰りはない。

「それじゃ……いいんですか? 離縁しなくても」

「もちろんだ。離縁なんてするわけないだろう? 騎士団長の事情も黒の魔石も、治癒力に余りあるほどの功績だぞ?」

 その功績については転生したからできたことだが、こうして喜んでもらえるのはうれしい。喜びと相まって涙が頬を伝う。

「心配しなくていい。治癒力があってもなくても八年前に会ったリーナには変わりないんだから」

(ありがとう、レオ……)

 レオの気持ちは本当にうれしい。
 けれども、どうしても治癒力は取り戻さなければいけない。

 そうじゃないと、レオを助けられないから。

 涙を拭ったリーナは手荷物から書き写してきた紙を取り出してレオに見せた。