彼女が怪我と言ったのは、服の中で隠れている傷ではなく、木から降りるときにほんの少し腕を擦りむいた傷のことで、わずかだが血が出ていた。
『リーナが治してあげる』
レオの手を取り、傷のところに自分の頬を当てた。それでは彼女の白い頬に血がついてしまうとギョッとしたが、リーナは一向に気にする様子も見せず、にこにこと微笑んでいた。
『もう大丈夫よ』
リーナが離れると腕の傷は綺麗に治っていた。
『君には治癒力があるのか?』
ふるふると左右に首を振ったリーナは「秘密」と口もとに人差し指をあてて、くるりと背を向けた。
『ここは王宮の森だから、本当は入っちゃだめなのよ。あっちに行けば出られるから』
手を振って再び犬と戯れながら行ってしまった――。
つらつらと思い出しながら、そんなふうにレオは当時の様子を語った。
『リーナが治してあげる』
レオの手を取り、傷のところに自分の頬を当てた。それでは彼女の白い頬に血がついてしまうとギョッとしたが、リーナは一向に気にする様子も見せず、にこにこと微笑んでいた。
『もう大丈夫よ』
リーナが離れると腕の傷は綺麗に治っていた。
『君には治癒力があるのか?』
ふるふると左右に首を振ったリーナは「秘密」と口もとに人差し指をあてて、くるりと背を向けた。
『ここは王宮の森だから、本当は入っちゃだめなのよ。あっちに行けば出られるから』
手を振って再び犬と戯れながら行ってしまった――。
つらつらと思い出しながら、そんなふうにレオは当時の様子を語った。



