完璧王子の幼馴染は、なぜか私から離れたがらない。

私が蒼真と仲良くなったのは、幼稚園の頃。

「うわぁぁぁぁん」
「どうした?」
「あげちゃったよお、ヒナのおもちゃぁぁぁぁ」
「ヒナは優しいから、あげたんだろ。優しいことは、いいことだぞ?ほら、あっちで俺と遊ぼう。」
「うん。ありがとう。そーまくん。」

私は幼稚園児のとき、とても泣き虫だった。

私は、相手にお願いされるとすぐOKしてしまい、そのあとに後悔して泣いてしまう。

そんな私を蒼真はいっつも元気づけてくれた。

私はそんな蒼真にあこがれて、自分の意志をしっかり持って、それを相手に伝えられるようになった。

自分を持てるようになった。

私にとって、蒼真は、ヒーローだった。

そう、今の楽しい学校生活があるのは、蒼真のおかげ。だから、蒼真にはほんとに感謝してる。

蒼真が幼馴染で、ほんとによかった。

これからも、このままの関係が続いてほしい。

ーそう思ってたのに。

「ヒナ。俺はヒナが思っているような俺じゃないぞ。」
な、な、なんで私は蒼真に押し倒されてるのーーーーー!?