君に会うために

「あの子ねえ、臣君っていうの。にゃん吉的にかっこいいと思った? ひょっとして嫉妬した?」
「(ふんっ)」

にゃん吉は拗ねたままのようだ。

「身長は私より高かったよね〜。細身でさあ、今日、帰り道ずっと一緒だったんだけど、ずっと半歩下がったみたいに付いてきてさあ。後輩だから遠慮してたのかもだけど、もう少し仲良くなりたいな」

「ニャ(アイツは騎士なのだから、ご主人様よりも後ろに控えているのは当然のことなのだ)」

「騎士? ご主人様?」

たまににゃん吉は私の想像以上に面白いことを言う。

「まあ、確かにあんたのご主人は私よね〜。さ、おやつにしよう。今日はにゃん吉は何がいい? あ、勝手に家から出たからペナルティーでおやつナシにしよっか?」

「にゃーーーっ!」

にゃん吉がものすごく怒った。

「分かってるって。おやつはあげるよ。その代わりもう絶対に人のことを襲っちゃダメだし、家から勝手に出ちゃダメだよ。足も拭いておこう」

にゃん吉はおとなしく用意した雑巾の上に乗った。
にゃん吉って絶対に私の言ってることを理解してるよなあ。