君に会うために

「さっきはごめんね。生徒会役員の子が騒いじゃって。びっくりしたでしょ」
「ああ、まあ」

(おみ)君は私のところまで寄ってきてはくれたけど、微妙に後ろを歩いているのはなぜなんだ?

「文学研究会に興味持った? 部活紹介の時にも言ったけど、ウチの同好会は特に作品とかは書いてないよ。別に書いて発表するのは構わないんだけど、どちらかといえば読んでる方で。読んだ本の感想を言い合う感じ。マンガでもオッケーだよ。学校に持ってくるわけにはいかないけど」

「ああ、はい」

「さっきは言わなかったけど、普段はお茶飲んでだべってる感じ。明日あるけど、来てみない?」

「はい」

おっと。
素直だな。

後ろ髪は少し刈り上げてる。
前髪は絶対に何か整髪料的なものを使ってかっこくキメちゃってる。
モテるのでは?

それから私の家まで10分ほど。
色々と質問してみたけれど、全部すごく短い単語で返事された。
本当は私と一緒になんて帰りたくなかったのかな。
それとも寄り道とかさせちゃってるのかな。
ま、いっか。

「じゃ、私の家、ここだから。また明日」
「はい。おやすみなさい」

臣君はとても丁寧に頭を下げてくれた。後輩だからかな。

ガチャッとドアを開けた。
そしたら、