初めからわかってた。
神様なんかいないこと。

「私はどうせ、耳も聞こえないから。」
ぼそっと病室で呟く。
誰もいない病室。無音の空間。
いつだって無音だ。生まれた時からそう。
私は「富村佳音(とみむら かのん)」14歳。中学3年生だ。