ある朝の日のことだった。私はいつものように最寄りの駅で電車を待っていた。すると、隣に初めてみる男子高校生が1人で電車を待っていた。男子高校生は野球坊主で顔は整っていた。その日はたまたま駅にいるイケメンだと思って学校に行った。
「采ー!おはよう!」いつもの可愛らしい声が聞こえた。
「おはよう!杏!」この子は友達の今田 杏(いまだ もも)
「杏聞いてー!!今日ね、駅で電車を待ってたらイケメンが私の隣に来たの!やばくない!?」
「えっ!?ずるいー!ここ女子校だから出会いがないのに!!」杏の言う通り私の通ってる学校は女子しかいないので出会いが全くと言っていいほどないのだ。だからと言っても彼氏がいる子は学校にはたくさんいる。
「あぁ、私にも出会いないかな〜」杏は肌が綺麗で顔もとても可愛いので絶対に共学だったらモテてたんだろうな、と思った。
「でも話してないし、、出会いってほどではないよ〜!今日はたまたまいただけだよ」
「えー?そうかな?明日もいるといいね!」まぁそれはそうだけど、、
「そういえばどんな顔なの?」どんな顔かー、、
「えーっとね〜、私の推しと似てて背も高くて野球してそうな野球坊主!」
「えっ!?采の推しってアニメじゃ、、?」杏の言う通り私の推しは「君に届け」というアニメに出てくる真田龍(さなだ りゅう)というキャラクターだ。
「そうだよ〜!でもさ、めっちゃ似てた!」
「いいな~!じゃあ私は風早くんみたいなイケメンを探す!」なかなかいないとは思うけど3県に1人はいるんじゃないかな?
「まぁ!頑張れ!」といいながらも私が頑張らないとだな
1限目から6限目までの授業が終わった。教室で少し杏と話してから私は電車に乗って帰った。帰りの電車にはイケメンはいなかったがまぁ朝だけ見れるっていうのも特別感あって悪くないな。と思った。家に帰ったらまずは手洗いうがいをして犬のお世話を少しして部屋に行った。部屋にもどったらまずは本を読んだ。恋愛小説が昔から大好きだから何冊も読んでいた。
「ことー!お風呂入りなさい!」
「は~い」はーいといいながらも本当は嫌だった。でも、今日はいつもとは違って明日もイケメンに会えるかもと考えるだけでもワクワクして垢抜けを頑張ろうとまで思えてきた。お風呂を上がってご飯を食べて寝る準備をしていた。歯磨きしているときもずっとイケメンが頭から離れなかった。
次の日の朝、またいつものように準備をしてから家を出た。流石に今日は来ないだろう。そう思っていたら昨日よりも早い時間に昨日の場所に立っていた。え?と思わず声に出しそうになったけどなんとかこらえた。今日もいる。だからといって話しかけてもイケメンさんが困るだけだ。だから今日も私はスルーした。電車の中にはいつもよりも人がいた。私は席が空いてなかったから端っこの方に立っていた。するとイケメンも隣に来てくれた。まぁ特別な意味はないんだろう。そのくらいはいくら馬鹿な私にも分かった。本当は声をかけたいのに、可愛いって思われたいのに、、いつもは積極的に自分からいくのになんでできないんだろう。学校から近い駅についてしまい嫌々ながら電車を降りた。
「杏おはよう、」今日は体調があまり良くなかった。
「おはよう、、って大丈夫?」友達思いの杏は心配してくれた。
「杏、心配ありがとう。大丈夫だよ」ウソだった。完全にウソだった。友達なのに、心配してくれたのにウソで誤魔化してしまった。今日は気分もあまりよくなかった。