君の事好きになっても良いですか


先に着いていた私は、
ドリンクバーのコップを何度も持ちかえて、
落ち着かなかった。

すると、ファミレスの出入口の
自動ドアが開き晃が入ってくるのが
わかった。


こっちに向かう時に目が合う。
少しだけ、前みたいに笑顔で手を振りそうに
なるのを今日はやめた。

晃が私と向かい合わせに、
席を座る。



「バイトお疲れ様。」



「晃こそ、塾お疲れ様。」


「晃、久しぶりだね。」


「うん……どう?バイトは順調?」


「今日も忙しくて大変だったけど」
「楽しいよ。」


「そっか……。」



「「…………。」」


他愛の話しをしたけれど、
それも長くは続かず沈黙が続いた。
そしえ、晃が最初に話しを
切り出してくれて。


「琴音、今日話しあるんだろ?」



私は頷いた。




「聞くよ。」



私はテーブルで隠れてる両手を
ぎゅっと握る。


「晃……。」


声が掠れる。
緊張での口の中がカサカサだった。


「私ね、晃の事大事だよ。」


琴音の迷いのない声で俺に言ってくる。


「小さい時からずっと一緒で。」
「家族みたいな存在で。」


私は、晃の顔をまっすぐ見つめた。


「だからこそ……」
「晃を失いたくない!」


空気が、一気に静まり返って
店員の声や客の声が余計に大きく耳に残る。


「うん……。」

琴音がまっすぐ俺を見てくる。
その目を俺は逸らさず見つめる。


「男としては見れない。」
「ごめん。」


晃……ごめん。
ごめんね。


「分かってた……。」

分かってたけれど、
胸が張り裂ける痛みが全身を痺れさせる。


「私……私ね」
「理央君の事が大好き。」
「理央君しか見れなくなってる。」


はっきりと言ってしまった。
あぁ……幼なじみにも戻れないんだろうな。
私……から壊してしまった。


「晃を否定したいわけじゃないの。」
「思い出も、時間も全部大切で、」
「それはこれからも変わらない。」
「大切な幼なじみだから。」