君の事好きになっても良いですか



*琴音*

花火大会から1週間が、あっという間に
過ぎた。

夏休み中バイトを結構入れて、
毎日が忙しい。

今日バイト中、カウンターに立ちながらも
頭に晃の事を考えてる自分がいた。

私の答えはもう花火大会の後には
決まってて。
その答えを口に出す勇気が出なかった。

今日、バイトは16時に終わる。
晃は20時には塾が終わると言っていた。


───岸駅周辺のファミレスで
晃と20時過ぎに待ち合わせ。

誘ったのは私の方からだった。


私はバイトが終わり、
一度家に帰宅する。
そして、ちょっと休憩を挟んで
千歌ちゃんと夏奈ちゃんとtalkのグループ
通話をかけた。


「もしー!」
最初に夏奈ちゃんが出る

「もしもしー!」
そしてすぐ夏奈ちゃんの後に
続き、千歌ちゃんも電話に出た。

「千歌、夏奈ちゃん!」


「琴音ちゃんバイトお疲れ様。」


「琴音ちゃん、今日大変だったデジタル?」
「土曜日のしかも朝からって。」
「一番混む時間帯のシフトだから、」
「店長の飯田さん手伝ってくれた?」



「千歌ちゃん、夏奈ちゃんありがとう。」


「夏奈ちゃん、今日店長体調不良で」
「来れなくなって大変だったよ。」
「副店長が代わりに来てくれたの。」


「めっちゃ危機だったんだね。」
「本当にお疲れ様。」


「あっ、そうだっ!」
「今日初めて見る人いたよ!」
「私と入れ違いのシフトだったと思う」
「んだけど、前田さんって名札付いてた。」


「あっ、それ私の彼氏。」



「「えっ!?」」


「そうなの!?」
「同じバイト先だったの!?」



「えっ!?夏奈ちゃん、彼氏いたの!?」


「あっ千歌ちゃんに言ってなかったね。」
「実は、2つ年上の彼氏なんだ。」


「夏奈ちゃん大人~!」

千歌ちゃんがキャッキャッと楽しそうに
話す。


「それより、私の事より」
「琴音ちゃんの事だよね。」


「琴音ちゃん、今日どうしたの?」


「琴音ちゃん、アキ君絡み?」


「うん……。」
「あのね……今日、この後」
「晃に会って話ししてくる。」

そう言うと、千歌ちゃんと夏奈ちゃんは
数秒沈黙をする。


「琴音ちゃん、言える覚悟出来たんだね。」

千歌ちゃんが静かに言葉を口にした。


「無理しないでね。」
「だけど私、正直に言うけど」
「理央の事選んでくれて嬉しいの。」
「晃君には悪いけど……。」
「理央は大切な幼なじみで」
「あいつね、琴音ちゃんが初めての」
「初恋なのよ。」
「だから、全力で応援したいの。」

夏奈ちゃんの優しい声……。
こんな素敵な2人に話し聞いてもらえるだけで
私は本当に幸せ者だなぁ。


「夏奈ちゃんありがとう。」
「私は理央君が好き。」
「その気持ちは揺れないし変わらない。」
「だから晃にもちゃんと伝えてくる。」




「千歌ちゃん、琴音ちゃんを見守ろうね。」


「うん、私も琴音ちゃんがの気持ちが」
「1番大切だから、琴音ちゃんが選んだのなら」
「その恋をいっぱい応援したい。」



「2人共、ありがとう。」
「私、頑張ってくる。」


花火大会の日……
理央君に告白された事も2人は
知っている。
あの後、家に着いてからすぐに2人に
話した。
いっぱい感情が溢れて泣いた。
2人はそんな私の話しを黙って聞いてくれた。


「うん。」
「「琴音ちゃんファイト!」」


通話を切り、ドレッサーの鏡を見る。


「よし!」

私は鏡を見て左右の頬をひと叩きして、
気合いを入れた。



怖いけど、逃げない。


琴音 side 終わり