君の事好きになっても良いですか?


琴音ちゃんのマンションが見えてくると
いつもと同じで胸の鼓動が早くなる。

今日は、このマンションの住民達も
花火大会に行く人が多く、
琴音ちゃんの部屋番号を呼ばなくても
エントランスのドアが人の出入りによって
開き、俺はそのまま5階502号室を
目指した。



インターホンを押すと、
すぐにドアが開く。


そして俺は、俺の前に現れた琴音ちゃん
を見て言葉を失った。


可愛い……普段も可愛いけれど、
今日は格別すぎる。


朝顔柄の淡い水色の浴衣が、
大人っぽさと色気さを演出し、
夜の灯しにまるで溶けるようだ。

髪もメイクも全部が、いつもより
特別感を出していて嬉しくなる。

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!
心臓がうるさい。



「こっ……琴音ちゃん。」
「似合ってる。」


やっとそれだけ言えた。



「あっ……ありがとう///。」


私はその一言しか言えなかった。
心臓に悪いよ……理央君……。

インターホンが鳴り、玄関で待機していた
私はすぐにドアを開ける。
するとそこには普段の感じと違う、
理央君の姿が私を釘付けにする。
浴衣姿の理央君が大人びて見える。
紺のシンプルの浴衣の袖からチラッと
見える腕が細いのにどこか力強く見える。
ラウンドマッシュの髪も今日は緩く前髪が
少し外巻きにされ、ジェルワックスで
濡れ感を出されたヘアスタイルで
いつもより大人ぽっく見えてかっこいい……。
こんなの私、今日心臓いくつあっても
足りないよ……。
直視出来ずに、理央君から褒めらた言葉の
返事も緊張して、
”ありがとう”しか言えなかった。



俺と琴音ちゃんは少々沈黙になり、
俺が話しかけようと口を開く前に
後ろから声が聞こえてくる。



「理央君。」
「こんばんわ。」

琴音ちゃんのお母さんだ。



「この間は琴音を」
「看病してくれてありがとうね。」

そう言って琴音ちゃんのお母さんは
頭を下げる。

「こんばんわ。」
「いえいえ本当あの時、」
「当たり前の事しただけなので。」
「顔を上げてください。」


そう言って俺は手を両手振った
すると琴音ちゃんのお母さんは、
顔を上げて少し意味ありげに微笑む。


「じゃ、今日は」
「琴音の事よろしくね。」


その一言に背筋がピンと伸びた。


「はい!」


改めて、琴音ちゃんを見る。

浴衣越しに感じる存在が
眩しくて近くて……

告白のは絶対今日だと再び
心の中で決めた。