君の事好きになっても良いですか



*琴音*
夏祭り3日前

みんなと、海に行った日から3週間が過ぎた
8月の今日。
夏休みのゆっくりした時間とは裏腹に、
私の胸の中はずっと落ち着かないでいる。

遥陽君と千歌ちゃんが海行った日から
付き合いだし、そしてあの日私は
晃から真剣な眼差しで告白された。

”幼なじみとしてじゃなくて”
”男として見てほしい”
”返事はそれからでいい”
”諦めない”
っと想いを告げられた。


私は晃には理央君が好きって事を伝えた。
だけどそれでもいいから見て欲しいと
言われ、私は”わかった”としか言えなかった。


ただ1つわかった事は、
あれからどんどん理央君の事を考える
時間が前よりずっと増えた事。

そして、晃は宣言通り私に積極的に
アピールするようになった。

昨日、晃は私の事を突然呼んで
そのまま2人でお昼ご飯を食べて、
ボーリングしてから帰った。
その時も、髪を触れられたり
腰に手を添えてきたりと結構大胆に
なってるからどう反応して良いのか
困った。

あっ……あの時の通学の電車で、
晃が私の腰に手を添えてきた事が
あったのも、私の事を想っての
アピールだったんだ……今頃気付いちゃった。
だけど、ちゃんと晃の事も見るって
応えたのだからちゃんと晃の事も
考えないと……。
だけど……理央君が頭から離れない。


琴音 side 終わり






*理央*

海へみんなで行った日から3週間。
夏休みの空は毎日同じように青くて、
同じように暑いのに、俺の胸の中は
落ち着かない……。


海辺での出来事が、鮮明に何度も何度も
思い返される。

琴音ちゃんが笑った顔も、
珍しく髪を結んで風に揺れていた毛先も。
自分の名前を呼んでくれた声も……
全部が鮮明に残る。


そして、晃が琴音ちゃんに告白した。
その日から俺の中で何かが変わる。

ベッドに横になって、天井を見上げても
昼寝をしようとしても、
ゲームを開いてみても頭の中でずっと
晃が琴音ちゃんに告白してる姿が
残ってる。

理央から聞いた……
琴音ちゃんは晃が幼なじみとして
じゃなくて1人の男として見て欲しいっと
言った言葉に”わかった”っと応えたらしい……
俺……まだ、琴音ちゃんに何も言えてない。

その焦りが日に日に強くなっていく。
このまま何もしなかったら、晃に
取られるかもしれない……
こんな考えが浮かぶ度に胸が苦しくなり、
焦りだけが加速する。


琴音ちゃんは実際、俺の事どう思ってんのかな
……?
海の時、琴音ちゃんが一緒に横を歩いて
くれたこと。
手を握った時、少し慌てながらも頬を赤く
染めてたこと。
俺をちょっとでも意識してくれたこと。
その前の琴音ちゃんが風邪引いて
俺が看病しに行った日から、
正直期待してしまってる。
琴音ちゃんの好きな人って俺なんじゃない
かって……。
でも違う可能性もある……だって、
晃の奴”琴音には他に好きな人いる”って
言ってた。
もし、俺の事だったら
”理央の事好きって言ってた”になるだろ?
不安でいっぱいになる。

勝手に期待して、琴音ちゃんには
迷惑なのかもしれない。
あぁ……もう頭が追いつかない。

海の後、琴音ちゃんには会えてない。
電話とかtalkはするが、琴音ちゃんは
バイトを結構いれているからそっちで
忙しいらしい。

空回りばかりしてるな……俺。

琴音ちゃんに会いたい……。
何か誘いたい……
でも、怖い……晃に揺れてるんじゃないかと
心配になって……。
俺の気持ちはそんな事の繰り返しだった。



理央 side 終わり