君の事好きになっても良いですか?


「はいはい!」
「真面目に三角関係してるところ」
「悪いけど邪魔するねー!」


ザッッッパァァァン!


夏奈ちゃんは、巨大な波を作って私達
3人にぶっかけてきた。


「きゃああ!!夏奈ちゃん!?」


「うおっ!?ちょっと、夏奈!」


「なっ……夏奈!?容赦ねぇな(笑)」



「もっと遊ぼ!ほらほら行くよ!」



「あはは!夏奈ちゃん最強じゃん♪」

千歌ちゃんも参戦してはしゃいでる。


「わっ……!?バランス崩れる!」


「千歌ちゃん、危ない!」


「はっ……遥陽君ありがとう。」
「また、助けられちゃった。」


「おーい!みんな!」
「もっと沖まで行こうや!」

夏奈ちゃんのお兄さんが大声でみんなを
呼びかけて、私達は沖までやってきた。



太陽がキラキラと反射して、
波がスローモーションみたいに揺れる。

私はふと、隣で私を支えるように
泳ぐ理央君を見る。
こういうさり気ない優しさが
私をドキドキさせる。

理央君は私の視線に気付くと、
照れくさそうに笑う。


「ん?どうしたの?」
「楽しんでる?」



「うん、すっごく楽しい!」




俺は理央と琴音のやり取りを近くで見ていた。
小さくため息をつく。
負けられない……俺だって琴音が大好きなんだ。
ずっと前から好きだったんだ……。






みんなが、波打ち際で遊び続けている中
俺はずっと心の中でタイミングを伺って
いた。


千歌ちゃんが、浮き輪を抱えながら
少し休憩しようと浜辺の方に歩き出したのを
見て、俺は小走りで追いかけた。

今しかない……。



「千歌ちゃん、ちょっといい?」


「遥陽君?どしたの?」


「ここ、ちょっと人多いから」
「少し向こう行こっ。」



千歌ちゃんは不思議そうにしながらも
頷き、2人はレジャーシートから
少し離れた静かな浜辺へ移動した。

遠くで、夏奈や理央達の笑い声が
だんだん小さく聞こえる。
海風は優しく揺れて、俺の心臓は
激しく暴れている。

2人で波打ち際を歩きながら、
俺は何度も口を開いては閉じた。



「遥陽君?なんだか変だよ?」
「口、開いたり閉じたり(笑)」


「ごめん、変だよな俺(笑)」
「ちょっと緊張しちゃって……」
「でも言おうと思って。」
「今日千歌ちゃんと海に来れて」
「嬉しくて……ちゃんと」
「言いたかったんだけど……」


海風が通り抜けて遥陽君の前髪が揺れる。
私はそんな彼も見て、自分の頬が赤く
なるのがわかった。



「何を?」



遥陽君は少し沈黙してから、
深く息を吸い込んだ音がした。



「好きだよ……千歌ちゃん。」


遥陽君はシンプルに直球で言葉を
発した。
それに私は一瞬で心を奪われる。


「えっ……?えっ!?」


「千歌ちゃんが、まだ1人でさ」
「電車乗ってた時から実は」
「気になっていて、」
「しかも縁があって友達になれて、」
「こうやって話す時も、笑う時も」
「誰といても千歌ちゃんの事」
「ばかり見てた。」


千歌ちゃんは胸に手を当て驚いている。
だけどどこか嬉しそうに瞬きをした。
俺はそのまま告白を続ける。


「今日、海に来て……みんなで遊んで」
「やっぱりこの先も千歌ちゃんと」
「一緒にいたいって思ったんだ。」
「だから……言うね。」


波が足元で弾ける。



「千歌ちゃんが好き。」
「俺と付き合ってほしい。」



私は数秒、言葉を失ったまま遥陽君を
見つめた。
遥陽君の瞳が揺れて、水面のように
柔らかく光る。
彼の真剣な眼差しに心を奪われ、
私も彼に正直な気持ちを伝えようと
決めた。



「遥陽君……びっくりしちゃった。」