千歌ちゃんが、ちらりと夏奈ちゃんの
顔を見て言う。
「夏奈ちゃんは、」
「理央君と琴音ちゃんの事応援してる?」
「ちちち千歌ちゃん!?」
「ちょっと待っ……」
「もちろん!」
「夏奈ちゃん!?」
夏奈ちゃんは私の言葉を遮って
即答で答える。
えっ!ちょっと待って。
私、2人に理央君が好きなんて言ってないよ!
好きな人はいるって言ったけど、
名前出してないよ?
なんで知ってるの!?
「琴音ちゃん、理央の事好きでしょ?」
私は固まってしまった。
「なっ……なんで?」
「なんで知ってるのって顔してる♪」
「私も、千歌ちゃんも、遥陽も」
「知ってるよ(笑)」
「ええええ!!」
「まぁ、晃君はまだわかってない」
「みたいだけどね(笑)」
「私は琴音ちゃんが幸せになれるなら」
「理央君でもアキ君でもどっちも」
「応援するよ。」
「えっ!?千歌ちゃんなんでそこで」
「晃が出てくるの!?」
「さぁーなんででしょう♪」
「それは琴音ちゃんが経験する事」
「だから私も、夏奈ちゃんも言わない♪」
「「ねえー♪」」
「もう!2人ともからかわないでよ!」
「でも、理央君が好きなんでしょ?」
「自分の気持ちに素直になって良いんだよ。」
でも、夏奈ちゃん……理央君は
夏奈ちゃんの事が好きなんだよ?
夏奈ちゃんには彼氏いるから、
理央君はアクション起こさないだけで。
「うっ……うん、理央君が好き。」
「素直でよろしい!」
「さぁーさぁー行くよ♪」
私達は水着に着替え終えると、
夏奈ちゃんと千歌ちゃんと女子更衣室を
出た。
〇男子更衣室〇
更衣室のベンチに着替えの荷物を置いて
俺と晃はお互いの様子を気にしつつ
水着に着替える。
一見はいつも通りの雰囲気。
だけど、胸の奥では同じ好きな子の事で
渦が巻いていた。
俺の視線は、鏡の中の理央へ
向けていた。
俺はタオルを肩に引っかけ、いつもの
声のトーンで喋る。
「なぁ、理央……。」
「なに?」
「今日の琴音、マジで可愛いすぎる。」
「車の中で寝てた寝顔ヤバかった。」
いつもの口調で話してるのに、
どこか挑発の匂いがする。
「そんなの知ってるし。」
なにこれ……あえて言ってくるの
ムカつく。
自分が琴音ちゃんの横無理やり取ったから
そりゃ見れるよな。
それをあえて俺に言うのは、
完全に晃は挑発している。
晃と、友達だけど絶対負けたくない。
譲りたくない。
幼なじみだろうがそんなの関係ない。
そこへ、タオルを巻いて準備が
できた遥陽が俺と晃の傍に来た。
遥陽は、俺らの空気を一瞬で察し
苦笑いしながら言った。
「お前ら、琴音ちゃんの事で」
「ピリつきすぎだろ(笑)」
「「別に、ピリついてない。」」
遥陽はため息をつきながら、
ロッカーに背中を預けた。
「まぁ、恋はしゃーないよな。」
「こうなるよな。」
「でも、2人ともそろそろ気持ちは」
「伝えた方が琴音ちゃんの為にもなるし」
「理央と晃もずっとこのままとは」
「思ってないだろ?」
「「それはそうだよ!」」
俺と、晃は同時に言葉を放ち
遥陽の方を見る。
「ってか、遥陽はなんで」
「そんな冷静でいられるの?」
俺は遥陽に質問すると、
晃も同じ事を思ったの首を動かし
頷く。
遥陽はあっさりと答える。
「えっ?だって俺、千歌ちゃんが」
「好きだからかな。」
「今日2人になれるタイミングあれば」
「告白しようと思う。」
俺も晃も一瞬で固まる。
「「えっ!?マジ!?」」


