君の事好きになっても良いですか



7月下旬。
朝から陽射しが強くて、
窓を開けた瞬間、夏の匂いが
胸いっぱい広がった。


「よし!やっと海だ!」

鏡の前で日焼け止めを塗りながら
つい口元が緩んでしまった。

あれだけしんどかった風邪は、
理央君のお陰ですっかり完治し、
むしろ風邪が治ってからものすごく
身体の調子が怖いくらい良い。
なんだかもう、理央君の事諦めようとか
心に閉まっておくとか考えてたけれど、
風邪を引いて理央君と深く関わって
私は確信した……私、理央君が相当好きで
もう、考えても無駄なのだと。
素直に私は理央君が好きだから自分の
この気持ちを大切にしようって。
告白はまだ早いけれど叶わない恋でも
気持ちは伝えると決めている。

今日の海は思い存分楽しも!


カバンの中に入れているスマホが
震えた。
talkのグループメッセージ画面が表示されている。


夏奈:準備できたー?

晃:あと10分で家の前行くぞ

千歌:琴音ちゃん早めに降りときなよ!
荷物多いでしょ!

理央: 楽しみだな!

遥陽: 琴音ちゃん、みんなワクワクしてるぞ!


続いて、個別メッセージが届く。


理央: 体調どう?大丈夫?無理はしないでね。
後、いつでも俺を頼ってくれて
いいから。


胸がキュンと高鳴る。
風邪は完治したと理央君知ってるのに、
それでもまだ気にかけてくれるんだ……。
その優しさが嬉しい。
今日の海がますます、特別な日に
なってきた。


バッグを肩にかけて玄関に向かうと同時に
エントランス側のインターホンが鳴った。


「琴音、みんな着いたわよ。」

とお母さんが呼びに来る。


「はーい!」



玄関を開け、私は急ぎ足でエントランスに
向かう。
エントランスを出て、来客用の駐車場に
行くと、夏奈ちゃんのお兄さんの大きな
アルファードの車が停まっていた。

アルファードの横にはみんなが立っていた。
そして私に、向かって手を振ってくれていた。


「琴音ちゃんおはよう!」
晃以外が、大きな声で挨拶をする。


「荷物持つ……。」

晃が、私の所に走って来て
私のボストンバッグをひょいと持ち上げる。

「晃、ありがとう。」

そう言って私は晃に微笑んだ先には
理央君がこちらを見ていたのがわかった。

理央君は、白のTシャツにジンズのスタイルで
海に行くって分かるくらいラフで似合いすぎる
格好。
いつもより髪は無造作で、それがまた
カッコよくて思わず視線を逸らし、
そのまま私は車に乗り込む。