君の事好きになっても良いですか

*理央*

家に帰ると、部屋の静けさが一気に
胸に押し寄せた。
スクールバッグを床にほり投げて、
ベッドに倒れ込んだ。
だけど、その瞬間今日朝の
車内の出来事が鮮明によみがえる。


「はぁ……。」


ため息だけが無意識にこぼれた。
あれが、ただの幼なじみじゃない
から嫌だった。
正直、胸が焼けるみたいに苦しかった。

俺、琴音ちゃんの事こんなにも
気になって気になって仕方がないんだな。

琴音ちゃんは天然で鈍感で、
人の好意にも煽りにもどれだけ
自分が影響を与えてるかにも全然気付いてない。

だけど、最初一目惚れで始まって
琴音ちゃんと友達にもなれて、
琴音ちゃんの無邪気な性格にもどんどん
惹かれていってるのも事実で。


俺に振り向いてほしいのに、
気づいてほしいのに、
彼女はいつだってこっちの気持ちに
気づかないまま笑顔でスルーしてくる。

「はぁ……好きだな……大好き……。」


夜の静けさの中で、言葉にすると
思っていたより重くて深くなった。

晃に、触れられたあの一瞬が
あんなにも心かき乱されるなんて……
想像もしていなく、それほど
琴音ちゃんを好きで仕方がない。

伝えたい……
でも今の関係を壊したくない……。
その狭間で今日も気持ちだけが深くなって
いく。



理央 side 終わり