*琴音*
バイトを終えて帰ってきた家は
いつもより静かだった。
窓を少し開けると5月の夜風が
ひんやり頬を撫でていく。
昼間の明るさをわずかに残しながら、
初夏の気配を含んだ風。
その心地良さに身を預けるように、
私はソファーに沈み込んだ。
今日、理央君には好きな人がいると
知った。
きっと好きな人は夏奈ちゃんなんだろうなぁ。
知った時の胸の痛みは、まだ完全には
消えていない。
だけど、夜になると痛みは少し和らいでいた。
今日、お母さんは夜勤なので
部屋の明かりを落として、間接照明だけ
をつける。
ぼんやりとした暖色の光と窓から差し
込む夜の気配が混ざり合って、
心の中までゆっくり落ち着かせて
くれるようだった。
湯気の立つお茶を取り、
そっと私は呟いた。
「……夏奈ちゃんの事好きなんだね。」
その言葉を声に出すと、夜の静けさに
溶けていった。
理央君が夏奈ちゃんを想う気持ちを
知って、それが悔しいより
お似合いだなぁって思ってしまう自分が
いる。
だけど簡単にはこの気持ちを諦められない
自分もいて。
あっ……私、本気で理央君の事大好きなんだ
これが初恋なんだと自覚した。
「私、この想い大切にしたい。」
「理央君、夏奈ちゃんには迷惑かけないから。」
私はこの気持ちを大切に心に
閉まっておこう。
なかった事にはしたくないから。
琴音 side 終わり
バイトを終えて帰ってきた家は
いつもより静かだった。
窓を少し開けると5月の夜風が
ひんやり頬を撫でていく。
昼間の明るさをわずかに残しながら、
初夏の気配を含んだ風。
その心地良さに身を預けるように、
私はソファーに沈み込んだ。
今日、理央君には好きな人がいると
知った。
きっと好きな人は夏奈ちゃんなんだろうなぁ。
知った時の胸の痛みは、まだ完全には
消えていない。
だけど、夜になると痛みは少し和らいでいた。
今日、お母さんは夜勤なので
部屋の明かりを落として、間接照明だけ
をつける。
ぼんやりとした暖色の光と窓から差し
込む夜の気配が混ざり合って、
心の中までゆっくり落ち着かせて
くれるようだった。
湯気の立つお茶を取り、
そっと私は呟いた。
「……夏奈ちゃんの事好きなんだね。」
その言葉を声に出すと、夜の静けさに
溶けていった。
理央君が夏奈ちゃんを想う気持ちを
知って、それが悔しいより
お似合いだなぁって思ってしまう自分が
いる。
だけど簡単にはこの気持ちを諦められない
自分もいて。
あっ……私、本気で理央君の事大好きなんだ
これが初恋なんだと自覚した。
「私、この想い大切にしたい。」
「理央君、夏奈ちゃんには迷惑かけないから。」
私はこの気持ちを大切に心に
閉まっておこう。
なかった事にはしたくないから。
琴音 side 終わり


