「まぁ、晃は勢いすごいな。」
「琴音ちゃんは何も悪くないからね。」
「混乱して当然だし、ゆっくり」
「落ち着いて考えれば良いからね。」
「みんな……ありがとう。」
みんなの言葉で私は救われた。
私は自然と笑顔を取り戻せた。
「琴音、悪かった。」
「言い方間違えた。」
「ただ、琴音を困らせるつもりじゃ」
「なかったんだ。」
「うん、わかってるよ。」
「晃がそんなつもりじゃないって事は。」
「ただ、急に言われてびっくりしちゃって」
「戸惑っただけだからね。」
「謝らないで。」
「琴音ありがとう。」
俺何してんだよ……。
困らせたくなんか……なかったのに。
琴音の困った時に見せる目が
頭から離れられない。
好きすぎて焦ってしまった。
今日は言葉も行動も暴走してしまった。
自分の気持ちを押し付けたせいで、
琴音が戸惑って困った顔しているのを
見て、胸の奥がひどく傷んだ。
琴音は優しいし、純粋で
今まで好きな人すらいなかったの
だからわかんないよな。
それなのに俺は……自分の感情だけで
動いてしまった。
もう二度とあんな顔をさせたくない。
拳を握りしめながら
ゆっくり心の中で呟く。
琴音が困らずに受け取れるやり方で
想いを伝えていく。
無理に言葉で押し込むんじゃなくて
少しずつ、琴音のペースに合わせて。
俺の胸の奥で、
静かな覚悟がゆっくりと燃え始めていた。
空気がようやく柔らかくなりはじめた
ころ、私はスマホをちらっと確認する。
「あっ、やば!」
「琴音ちゃんそろそろバイトの時間!」
「わっ!本当だ……。」
「って事で、私と琴音ちゃんは」
「バイトに行ってくるね。」
「千歌ちゃん、遥陽君、晃君は」
「ゆっくりしてってね。」
そう言って私と琴音ちゃんは、
スクールバッグを肩にかけ席を立って
バイトに向かった。


