信じてる……。
だからこそ……境界線を、
はっきりさせてほしかった。
”今日はそういう気分じゃない”
自分で言った言葉を、思い出す。
逃げたんだ……俺は。
それも、分かってる。
でも今折れたら、
俺はずっと同じことを繰り返す。
不安になって、我慢して、笑って。
それは、対等じゃないと俺は思う。
俺は、琴音の彼氏でいたい。
ただの“いい人”じゃなく。
だから、今回は折れない。
琴音から謝られても、
簡単には流さない。
ちゃんと、分かってほしい。
俺が、どれだけ怖かったか。
どれだけ、独占欲と戦ってたか。
それを、
分からないまま仲直りするなら、
また同じことになる。
スマホを、机の上に置き
ホーム画面を確認する。
通知は、まだ来ない。
――来たらどうする?
考えて、すぐに答えが出た。
今日は、出ない。
それは、罰じゃない。
俺の覚悟だ。
俺は、琴音を失いたくない。
だからこそ、
この気持ちを曖昧にしたくない。
夜は、まだ長い。
この沈黙が、何を壊して、
何を繋ぎ止めるのか。
今は、分からない。
ただ一つだけ、確かなことがある。
俺は、この喧嘩から逃げない。
理央 side 終わり
第23話 大切な幼なじみ
END


